「森脇健児がエンジンのついた車輪のようなものを装着して、疾走させられる」という内容の番組があった。本来であれば、森脇健児は途中から空を飛べるはずだった。しかし、何かしら失敗したのか、森脇健児は茂みに正面から突っ込んでいった。茂みに突っ込んでもエンジンは止まらなかったので、森脇健児は茂みに体を強く押し当てられて、絶叫しながらもがいていた。しかも、どういうわけか、撮影用のカメラは森脇健児ではなく、車輪をドアップで撮影していた。
視聴者である我々は、ひたすら車輪が回転しているようすだけを見続けることになった。私は回転する車輪を見ながら、「いったい、自分は何を見せられているんだろう」と思い、声を出して笑った。
< 完 >
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