いい夢みてる?

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雑記 ~ 普通の学校の先生は、どうやって「歴史総合」の授業やってんの? ~

 新年度が始まって約1か月が経った今、私には気になっていることがある。本年度から高校で開講されている新科目「歴史総合」のことだ。私は2つの学校で講師をしているにすぎないので、他の学校のようすはわからない。だが・・・勤務校のようすから察するに、この科目、すでに「破綻」しているのではないかと思うのだ。
 まず、パラパラと教科書や副教材を見せてもらった感じだと、「世界史の近現代」と「日本史の近現代」を単純にくっつけた、なかなか重い科目だという印象を受けた。正直、日本史が専門の先生は世界史分野を教えるのが難しく世界史が専門の先生は日本史分野を教えるのが難しい気がする。
 よくない言い方かもしれないが、賢い子たちが集まっているエリート校だと、先生がテキトーに授業をしても、生徒たちはそこそこ理解してくれるだろう。自主的に教科書を読んで勉強してくれるかもしれない。一方、私が勤務している学校の生徒は、模試の成績を見るかぎり、全国平均より少し下の学力だ。かみくだいて丁寧に説明しないと、生徒たちは内容を理解してくれない。また、そもそも国語力があやしいので、生徒たちが自力で教科書を読むのも難しいだろう。私の勤務校と似たレベルの学校でも、同様なのではないかと思われる。
 実際、私が勤務するA校とB校でどのような事態が起こっているか、紹介しよう。まず、A校では、教壇に立つのは本年度が初めてだという若い先生が歴史総合の担当になった。日本史が専門だというこの先生は、4月の初めに教科書を受け取って、すぐに頭を悩ませていた。教科書は世界史分野から始まるのだが、太字で書かれている用語のほとんどを知らないらしいのだ。そんな具合なので、授業はうまく進行できず、かなりカオスな状況になっているらしい。すでに、生徒たちからは、不満や苦情(?)が出ているとのことだ。
 一方、B校では、日本史専門のベテラン教員が歴史総合の担当になった。私は、この先生が担当者になったと聞いたとき、1年間の授業をどのように組み立てていくのか、非常に気になった。歴史総合は2単位の科目なのだが、勤務校に教科書のサンプルを持ってきた某教科書会社の人が「週2時間でこの教科書の内容をこなすのはムリ」と爆弾発言するほど内容が濃い。ベテランの先生が、その肉厚な内容を週2時間でどう料理していくのか、私には関心があったのだ。ところが、先日、その先生は開き直ったかのように言った。

「世界史はよくわからへんし、日本史の部分だけやることにしたわ。」

 さらに聞けば、日本史の部分さえもすべては扱わず、19世紀末から第二次世界大戦あたりまでを授業で扱う予定らしい。もはや、「歴史総合」とは何なのか・・・という感じだ。これでは、「歴史総合」ではなく、「日本近現代史(部分)」じゃないか!
 以上のように、私が勤務している2校では、どちらも歴史総合の授業が「成り立っていない」といっても過言ではない。この感じだと、生徒たちが高3になったとき、受験で歴史総合を受験する子たちはドえらいことになるんじゃなかろうか。
 そういうわけで、一部のエリート校はともかく、大部分の「普通」の学校で歴史総合をめぐって混乱が起こっているのではないかと推測される。おそらく、しばらく待てば、教育関係の雑誌などに「歴史総合の実践報告」のような記事が載るだろう。正直、エリート校での実践報告など、ほとんど役に立たない。「普通」の学校の先生で、「主体的・対話的で深い学び」と「受験に必要な知識の習得」を両立させることに成功した方がいらっしゃるなら、一刻も早く実践報告をお聞かせ願いたいものである。なんなら、うまくいかなかった実践報告を大量に集めて、文科省に叩きつけたほうがいいか!?

                       < 完 >

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