朝、私は生徒として登校し、教室に入った。すると、黒板にある日番の欄が空欄になっていた。クラスメイトによると、どうやら日番が誰なのかがわからないらしい。そして、クラスの何名かは、私に日番をしてほしいと思っているようだった。そこで、私は日番を引き受けることにした。
まったく気づいていなかったが、すでに1限の担当である美術の若い先生が教室に来ていた。私は慌てて、「起立!」と号令をかけた。全員が立ったところで私が「礼!」と言おうとしたところ、すぐ右にいた生徒が「礼!」と言ったので、私は肩透かしをくらったような感じになった。
その後、全員が着席してから、美術の先生は受験について早口で語り始めた。それと同時に、私の前の生徒が私語を始めた。すると、私の右の生徒がすぐに「うるさい!」と注意を促した。私はそれに続くような形で、注意を促した生徒よりも大きな声で「うるさい」と「ウザい」の中間のような発音でことばを発して、私語をしている生徒を黙らせた。その直後、私のケータイから、目覚まし音がけたたましく鳴り始めた。気まずい思いをしながら起床。
< 完 >
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