授業を終えて職員室に戻ろうとしたところ、廊下のあちこちが水浸しになっていた。職員室にいたっては、天井のほぼ全面から雨漏りしていた。そのため、先生方の机上に置いてあるプリントやパソコンは、ビチョビチョになっていた。
私が職員室に戻ってきたとき、職員室には誰もいなかった。私は、この状況をどうしたものかと悩んだ。そのとき、Y先生(60代・男性講師)と数名の年配の専任教員が職員室にやってきた。彼らは何かしらの口論をしているようで、専任教員のひとりはかなりイラついているようであった。そのイラついている教員は、「とにかく車を出してやってくれ」とか、「○○を乗せてやってくれ」とY先生に言った。それに対して、Y先生は「それは違うやろ」などと言って反論していた。
私がひどい雨漏りをどうしようかと呆然としている横で、なぜか彼らは雨漏りのことをまったく気にしていないかのように、その後も口論を続けた。
< 完 >
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