先日、高3の授業を担当している某先生がつけた1学期の成績を見て、びっくりした。非常に気持ちの悪いことが2つあったのだ。
まずは・・・中間テストと期末テストの平均が87点の生徒がいたのだが、その最終的な評価が98点になっていたことだ。これ、それなりに教員の経験をした方ならわかるだろうが、異常だ。最終的な評価は「テストの点数」と「平常点」を総合して出す。しかし、87点が98点になるなんてコトは、普通ありえない。
具体的に説明しよう。たとえば、「平常点が20点満点」だとする。その場合、テストの点数に0.8をかけて、平常点を足すのが一般的だ。一部の例外的な学校を除いて、ほとんどの学校はこのようなしくみで成績を出していると思う。そして、実際にいろいろと計算してみるとわかるだろうが・・・このやり方、テストの点数が低い生徒は評価が上がりやすく、テストの点数が高い生徒は評価が上がりにくいのだ。
「テストが30点で、平常点が20点満点」の生徒がいたとしよう。その場合、最終的な成績はこのように出す。
30点 × 0.8 + 20点 = 44点
一方、「テストが90点で、平常点が20点満点」の生徒の場合はどうか。もちろん、最終的な成績はこうだ。
90点 × 0.8 + 20点 = 92点
ということなので・・・テストが高得点の生徒は、平常点を含めても、ほとんど点数が上がらないのだ。前述のような、「テストが87点で、最終的な成績が98点」というのは異常である。
私はいろいろ考えた・・・テストが87点の生徒に98点の成績をつけるには、どうすればよいのか・・・。まさか、これか・・・?
平常点がまさかの90点満点であり、その生徒の平常点が89点なら・・・最終的な成績は 87点 × 0.1 + 89 = 97.7(四捨五入すれば98)
もしコレだとしたら、異常すぎる。っていうか、この方法じゃないとすれば・・・「テストの点数にそのまま平常点を足す」という荒業をしないと、87点を98点にはできない。仮にそのまま平常点を足しているのだとすれば・・・それはそれで、異常だ。最終的な成績を100点満点で出していないことになるからである。とにかく、気持ちが悪い。
さて、冒頭に書いたように、気持ちの悪い点は2つあった。もうひとつの気持ち悪い点は・・・テストの点数が65点くらいの生徒たちに、軒並み評定「5」がついていたことだ。10段階評定ではない。5段階評定だ。私の感覚では・・・一般的な学校の場合、テストが65点だったら、評定は「3」か「4」だと思う。絶対に「5」なんてつかない。
以上のように、異常な成績のつけ方を目の当たりにして、私は愕然とした。これ、生徒や保護者たちは、どう思うのだろうか。強靭な正義の心をもった生徒や保護者は「この成績はおかしいです! 本来の成績は、もっと下のはずです!」と訴えるかもしれない。でも、ほとんどの生徒や保護者は「いい評価をもらえてよかった! 先生、やさしい☆」となるんじゃないだろうか。もしかしたら、普通の成績のつけ方をしている私のイメージは、非常に悪くなっているかもしれない。迷惑な話だ。
そんなことをあれこれ考えているうちに、私は気づいてしまった。高3の授業で異常な成績のつけ方をしていた上記の先生は、高3の担任でもあったということに! まさかと思うが・・・自分の学年の生徒たちの成績を高くつけることによって、推薦入試で有利にはたらくようにしているのか!? もしそうだとしたら・・・不正みたいなもんじゃないか!?
考えれば考えるほど、気味が悪く、恐ろしい話だ。ちなみに、上記のような異常な成績のつけ方を目にしてしまったのがきっかけで、他の先生がつけた成績が気になっていくつか見てみたら・・・もうひとつ、異常なモノを見つけてしまった。その件については、また別の機会に・・・。
< 完 >
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