私は生徒の一人として、教室で挨拶の練習をしていた。クラスの生徒たちは何組かのグループに分かれ、前の方の列の生徒たちは、教室の後ろにいる生徒たちに対して声を出したり手を振ったりして挨拶した。一方、教室の後ろにいた私を含む生徒たちは、それに対抗するような形で、手を振るなどして挨拶を返した。
ほとんどの生徒は、普通に片手を振ったり、両手を振ったりしていた。しかし、私は手を振っているつもりなのに、その手が痙攣していて、手の残像のようなものが生じていた。私が残像のようなものを出しているようすは、一部の生徒の注目の的になった。
さらに、私の左隣にいた男子生徒は、手から軽く火を出していた。挨拶がすんだあと、その生徒は「いや~、火が出せるなんて、自分でも知らなかった!」などと興奮していた。それに対して、私はこう言った。
「私なんて、手が痙攣するだけですよ。こんなもの、何の役にも立ちませんわ。せいぜい、ゲームで連打するときに使えるくらいですかナ。」
< 完 >
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