電車に乗って家に帰ろうと思い、駅に向かって歩いていた。駅の改札に至るまでの通路には、毒の沼地のような見た目の箇所がそこらじゅうに広がっており、ゾンビのようなものも何体かウロついていた。
私は何を思ったのか、イスの足を持って頭上にイスを掲げ、その状態で空中浮遊して駅の改札に向かった。その途中、後ろから同僚のKさん(30代・女性)の声が聞こえてきた。どうやら、近くにKさんがいるらしい。本来は空を飛んでいるところをKさんに見られるとマズいのであるが、私はむしろ「見てくれ」と言わんばかりに堂々と、そして、悠々と空中浮遊して駅に向かった。
その後、電車に乗り込んだ私は、ダンゴムシのように小さく身を丸め、座席に転がった。私が転がっている横には小学生くらいの少年がいたが、私はそのままの姿勢を続けながら、必要以上に少年へ圧をかけた。その結果、少年は私のことを気持ち悪いと思ったのか、席を立って去っていった。しかし、私はまったくおかまいなしであった。
< 完 >
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