家族がみな、旅行に出かけた。家族は、明日の晩に帰ってくるそうである。私は、家の中でひとり悠々と過ごし、風呂の浴槽でゆったりしながら『銀河旋風ブライガー』などの歌を熱唱していた。
すると、唐突に、妹が風呂のドアを開けて顔をのぞかせた。妹は、「予定変更して、メチャメチャ早く帰ってきてん」と言った。私は、「風呂場で熱唱していたのを家族に聞かれたのではないか」という恥ずかしさでいっぱいであった。
それに加えて、居間などををかなり散らかした状態で風呂に入っていたことも思い出した。私は、迂闊にも何かとんでもない「見られてはいけないもの」を散らかしたままだったのではないかと、大きな不安に陥った。
< 完 >
↓ ↓ ↓ kindle unlimitedをご利用の方、よろしければどうぞ!