たまたま、SNSで「歴史上の人物の残念な死因」について紹介している人を見つけた。有名な人物からマイナーな人物まで、約10人の珍しい死因を紹介していたのだが・・・読んでいて、私は首をひねった。私が首をひねったは、アイスキュロスとヘラクレイトスの死因に関してである。
アイスキュロスは、古代ギリシアの三大悲劇詩人のひとりに数えられる人物である。上記の紹介者は、「アイスキュロスの頭を亀の甲羅とカン違いした鳥が、彼の頭に岩を落として、彼は死んだ」というようなことを書いていた。
ヘラクレイトスは、古代ギリシアの哲学者であり、「万物の根源は火」であると主張した人物である。上記の紹介者は、「ヘラクレイトスは、水腫を治療するために犬の糞を全身に塗った結果、犬にかみ殺された」というようなことを書いていた。
たぶん、多くの人は「へぇ~!」と思うのだろうが、私は違和感を覚えた。というのは、アイスキュロスの死因も、ヘラクレイトスの死因も、私が記憶しているものと少し違ったからだ。気になって、さっそくネットで調べてみた。その結果を、以下に記しておきたい。
ネットで調べたかぎりでは、アイスキュロスの死因は「アイスキュロスの頭を岩とカン違いした鳥が、彼の頭に亀を落として死んだ」であった。上記の紹介者は、「岩」と「亀」を逆に書いているようだ。
次に、ヘラクレイトスの死因については、「水腫を治療するために牛糞を全身に塗った結果、窒息死した」と書いているサイトが非常に多かった。わずかながら「犬にかみ殺された」という記述をしているサイトもあったので、諸説あるのかもしれない。ただ、ヘラクレイトスが全身に塗ったのは、紹介者が書いていた「犬の糞」ではなく、「牛糞」っぽい。
というわけで、紹介者は多くの人に楽しんでもらおうとして紹介したのだろうが・・・私の頭には「正確に書いてほしいなぁ」とか「一般的な説を書いてほしいなぁ」という思いばかりが生じて、逆にまったく楽しめなかった。
昔、恩師の先生が「知識はいくらあっても損をすることがない」とおっしゃっていたが・・・知識があることによって、笑えるネタで素直に笑えなくなるのは残念な話である。教員が言うことではないかもしれないが、知識もほどほどにしておいたほうが、日々の生活を楽しめるのかもしれない。ちなみに・・・私の周囲を見るかぎり、豊富な知識をもっている人は、やたらと知識を披露したりウンチクを垂れたりする傾向があるので、たいてい嫌われている。やはり、知識はほどほどがいいかも・・・!?
< 完 >
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