先日、教材研究をしている私の近くで、何人かの専任の先生方が打ち合わせを始めた。どうやら、近いうちに外部講師の先生を学校に招いて、講演会をおこなうらしい。そのための打ち合わせをする声が断片的に聞こえたのだが、ある先生がこんなことを口にした。
「スリッパ、どうします?」
どうやら、外部講師の先生に校内で履いてもらうためのスリッパのことらしい。その先生は、続けて言った。
「前に誰が使ったかわからないようなスリッパを出したら、不安に思われるんじゃないですかね?」
どうやら、新型コロナ対策にかなり気をつかっているらしい。私の感覚だと「しっかり消毒液でスリッパを拭いてからお出ししたらええやん」なのだが、上記の先生にはそういう発想はないらしい。マジメというべきか、頭がカタいというべきか・・・と私が思っていたら、別の先生がこんなことを口にした。
「(スリッパなしで)そのまま上がってもらったらええやん。」
どういうことだ!? 土足でそのまま校内を歩いてもらうのか? うちの学校は、そういうタイプの学校じゃないぞ!? 想像の斜め上のことばに、私はことばを失った。さらに、その先生が続けて言ったことばにも、私は愕然とした。
「講師の先生が歩きはったところを、我々で拭いていったらええやんか。」
待て待て!! どういうことだ、どういうことだ!? 講師の先生の靴にウイルスが付着している可能性を想定して、床を片っ端から拭くのか!? 結局、打ち合わせはまとまらないまま先生方は解散したが・・・「歩いたところを拭いて回る案」が最終的に採用されていたら、拭く係の先生方、ご愁傷さまである。約10年前、私はわけあって、ひとりで似たようなことをしたことがあるけど・・・その翌日、ひどい腰痛になったぞ!
いや~、非常勤講師でよかった。
< 完 >
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