自分の部屋をキレイに掃除してから、何人かの友人を部屋に招き入れた。その後、友人たちは用事か何かがあるようで、全員がいったん部屋から出ていった。
部屋にひとり残された私は、布団の上にうつぶせになって、仮眠をとり始めた。すると、足もとに置いてあったファックスのような機器から、紙やら封筒に入った書類やらが次々と出てきた。それらは、ちょいちょい私の足に当たりながら、床に落ちていった。
紙や封筒が何十枚も床に散らばったので、私は気になって、それらを確認してみた。それらの中には、請求書のようなものも何枚か混ざっていた。そして、以前に私が訪れた病院からの請求書が入った封筒には、「9万円 返しやがれ、この野郎!」と、口汚いことばが書かれていた。また、別の封筒を見てみると、支払うべき公共料金か何かを数か月ほど滞納していたために送られてきた請求書もあった。
私は、「請求書などを送るための特別なポストのようなモノがどこかにあって、それに次々と入れられた書類が、ファックスのような機器を通じて私の家に届けられているのだろう」と推測した。とりあえず、私は大量の書類を拾い上げて、片づけた。
そこに、友人のひとりが戻ってきた。その人は、部屋の隅に座り、歌を歌い始めた。歌い出した友人の周りを見てみると、やけにホコリやゴミが散らかっていた。どうやら、私が書類などを片づけた際に、新たにホコリやゴミが出てしまったようであった。
私は、自分が出したホコリやゴミの中で友人が歌っているようすを見ながら、「自分はなんと愚かな人間なのだろう」と深く反省し、情けない気持ちになった。
< 完 >
↓ ↓ ↓ kindle unlimitedをご利用の方、よろしければどうぞ!