先日、勤務校で実施された模試で不正があったらしい・・・と同僚の先生から聞いた。
模試の日は、午前中に地理の試験、午後に日本史や世界史の試験があった。しかし、地理・日本史・世界史は同じ冊子に問題が印刷されていたので、本来は午前中の地理の試験終了後に問題を回収しておくべきだった。しかし、試験監督の先生に配布されていたプリントには、「問題回収なし」と書かれていたのだ。だから、午前中に地理の試験をすませて問題冊子を持っている生徒に、午後に受験する生徒らの一部が問題冊子を見せてもらったらしい。
愚かだ。実に愚かだ。くだらない不正に及んだ生徒たちも愚かだが、教員が愚かすぎる。実は、模試が始まる前に、私は模試の時間割を見て、問題用紙を回収すべきことに気づいていた。だが、私は非常勤講師なので、勝手に判断して動くのはまずい。そこで、専任の先生に事情を説明して、問題用紙を回収すべきだと指摘していたのである。そして、その先生は、模試のことをとりしきっている進路指導部に、私が指摘した内容を報告してくれたそうだ。だが、最終的に、進路指導部は「問題回収をしなくていい」と判断したらしい。
なぜ、「問題回収をしなくていい」という結論に至ったのか、意味不明である。「まぁ、問題冊子を見せてもらうような生徒なんて、いないだろう」と思ったのだろうか。それとも、「模試だから、学校の成績とは別に関係ないし」という考えだったのだろうか。どちらにせよ、甘い考えだ。
もちろん、「不正をしない強い心をもっているのが当然だから、不正をした生徒らが悪い」と考える人もいるかもしれない。でも、生徒は未熟だ。ちょっとしたことで防げる部分は、教員が配慮して防いであげたほうがいいんじゃないだろうか。
そして、不正によって模試の偏差値が高くでてしまうと、妥当な進路指導をするのが困難になるかもしれない・・・ということを、進路指導部の先生方は気づくべきだ。先生方は、廻り廻って自分たちの首を絞めているのである。
< 完 >